僕の地元 富山県中新川郡立山町新瀬戸地区、実家から歩ける距離のところに在住、そして出身の画家、瓦職人、書家などたくさんの芸術を重んじる方々がいらっしゃいます。

その中で際立っているのが「新瀬戸」という地域の名前にもなるぐらい歴史の深い陶芸家のみなさんです。



その陶芸家5人が数年前にお集まりになって結成された“かなくれ会”の新宿での初めての展覧会を拝見するため伺ってきました。

庄楽窯 釋永由紀夫さん
釋永陽さん
四郎八窯 加藤聡明さん
千寿窯 吉野香岳さん
枯芒ノ窯 北村風巳さん

全員の陶芸家が在廊なさっておりましたが、皆さん纏っていらっしゃる空気感が“新瀬戸”そのもので、新宿にいながら地元に帰ったような気持ちになりました。


それぞれの個性が存分に発揮されている作品を拝見していると、感嘆させられるとともに烏滸がましくも不思議と嫉妬心というか憧れというか…。

芸術を為す者は嫉妬する…まさにこれです。

僕は音楽という瞬間的にその空間に放たれるものを自分を通して振動させて表現しているわけですが、陶芸家の皆さんは土からおつくりになり、生み出してからずっとその空間に存在する表現をされている。
それは日常の生活に使用されるもの、茶事に使用されるもの、鑑賞されるもの、用途は様々だけれどもまさにどこにいてもそこに存在する。

変化するという意味では同じだけれども、音楽のようにその一瞬の空間だけを満たすわけではない、煌めきと輝きに翻弄され満たされ揺さぶられ…羨ましいという気持ちで一杯になりました。



2017.2.26.大畑 理博
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本当にいつぶりだろう…と思うほど久しぶりに
たまたま時間が出来たので
当てもなくゆっくり時間の流れるままに
上野をブラブラしてみました





師匠ありがとうございます

通学途中の公園や学舎にも行ってみて
ちょっとだけ初心に帰った感じもしたけれど
何も考えないでもドキドキワクワクしていたあの頃とは何かがだいぶ違うかな



受験戦争に終止符を打ってから
何年か通うことにはなったのですが
上京したころはその余裕はなく
在学中はそんな興味もなく
卒業してからは上野という地からも遠ざかり
たまに行くときはスケジュールの合間で…

っとゆっくり歩き回ることは無かったからか知らないことだらけでした

公園は整備がされてかなり綺麗になり
あったものは無くなり無かったものが出来ており

風景にはカフェやスカイツリーまで増えている
でも上野動物園や西郷さんはそこにいらして



学校に行くには公園口側がほぼだったのですが
飲み会とか現実逃避というサボりとか(笑)のときにただ通るだけだった袴腰広場には大寒桜が咲きはじめていました



時期が来たら思うがまま
ここぞというとき咲くんだもんな

こういう時間をちゃんと作らないと
感情とは違う感覚?五感の幅?みたいなものが
枯渇するのかもしれないと思った日



2017.2.19.大畑 理博
今日は36回目の誕生日でした
たくさんの方からSNSやLINE、messenger、メールなどお祝いのお言葉をいただきました
幾つになっても嬉しいことは変わりないです


感謝を忘れたことはないけれど、この歳になってもふと母からお祝いの電話がきました
お互いに歳をとりましたね(笑)という会話はここ数年の普通となりましたが、携帯電話の音質が毎度向上されているのか、余計にはっきりと声が聞こえてくるわけです
そのおめでとうの言葉の声の成分は、僕を含め息子たちの「母」から、孫たちの「おばあちゃん」に近付いたなぁとつくづく思いました
それは老いではなく穏やかな歳の取り方をしてきた声でした


今回の36という歳は富山で生まれて育って18年、それから東京に出てきて18年
ちょうど半分の歳となりました
富山出身東京在住になれましたが、東京のほうが長くなることに突入していくということで、少し立ち返ってもいいのかなと思っています


専門学校の後期試験問題に
「“うたうこと”とは何か?」
というものを学生に問いました
とても難解な問題だったろうと思います
“うたうこと”は難しくもあり簡単でもあります
「僕はここですよ!!」と胸を張って【うたうこと】ができたら。。。
そしてそれらを超えて、大好きな詩人の谷川俊太郎さんが武満徹のソングて仰っている【うたうだけ】と言えるよう精進していきたいと思います
どうぞよろしくお願いします










(写真は現在から遡ってみました…みなさんが僕と出会ったのはどの辺ですか?途中18年ほどブランクありますが抱っこしてるのは父と祖父)



2017.誕生日.大畑 理博 拝
箱根に行ってきました
毎年この時期に伺っています

そこに変わらずにあることの恩寵
年月が何かを形作る物語
刻一刻と必ず移ろって行く宿命

そんなものに触れたかもしれません



太陽はあって
深く空が広がり
雲は輪廻転生を繰り返す
湾に沿って海は漂い
山は隆起して
湖は水を煌めかす

風はどこまでも自由で
木々はそれに従う
雪は水と氷を行き来し
土も石も呼応する

ヒトは作った
大きなものを抱いて
後から追いかけるように
前からあるものに導かれて

時は一定に自らを刻む
肯定も否定もせず
容赦はない
残酷なまで
すべてが平等に
時を経験する

いのちは寄り添う
呼吸するように



2017.2.8.大畑 理博