体調が戻ってからも年内の演奏をどうするかずっと迷っていましたが、
様々な方から「うたったらいいよ」と仰っていただき、
また、ボイストレーニングの師匠からも「うたうことで身体が整うんだからうたいなさいよ」と仰り、
はたとやっぱりうたいたいなと思い出演させていただくことにしました

今回は以前にも参加させていただいた、新しい日本語の歌曲だけで構成された国際芸術連盟主催の「21世紀日本歌曲の潮流」というシリーズ演奏会です
僕は福田陽先生が作曲なさった「預言者」という作品です

ロシアの詩人・作家であるプーシキンの詩をロシア文学者である金子幸彦先生が翻訳されたテキストです
元々はリムスキー・コルサコフがプーシキンの同詩をテキストに持つ歌曲があります
それをコンセプト企画の演奏会で、同じ詩の日本語訳による新たな歌曲作品として福田陽先生に生み出されたのが今回の作品です

とても緊張感の漂う作品ですが、お話をいただいたときに
これはうたいたい‼️
とインスピレーションが湧いた作品です

体調回復しつつどこまで復帰できるか。。。
自分の今年の課題の一つとして取り組みます

もしご興味のある方はご一報くださいませ

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公 演 名:第31回 21世紀日本歌曲の潮流
日  時:11月24日(火)19:00開演 18:30開場
会  場:亀戸文化センター カメリアホール
チケット:3,500円(全席自由・税込)
問 合 せ:JILAチケットセンター Tel:03-3356-4140

【曲目】
野村 朗
「夜に」「さとしくんのうた」 <東京初演>
「桔梗」
「無題」 <新作初演>
「春のあはれ」
ソプラノ:原口あゆみ ピアノ:倉本洋子

髙橋克行
「色は匂へど‥‥」 <初演>
メゾ・ソプラノ:竹内祥子

服部和彦
青い蝶(服部和彦:詩)
夜道 時計台(高田敏子:詩)
メゾ・ソプラノ:岩井奈美 ピアノ:成井木綿子
幻の花(石垣りん:詩)
ドリーム(小野小町:詩)
ソプラノ:川口 翠 ピアノ:森本加奈

福田 陽
「預言者」(A.プーシキン:原詩/金子幸彦:訳詞)
バス・バリトン:大畑理博 ピアノ:樋口真千子

浅井和夫
現代詩人によせる四つの歌
~東北大震災への鎮魂歌…気仙沼にて~
 1.海に舞う桜吹雪 2.紅葉幽玄 3.空の色 4.雪おんな 
メゾ・ソプラノ:竹内祥子 ピアノ:浦田由里子

澤田 博
宮澤賢治の詩による歌曲「小岩井農場 パート九」 <初演>
ソプラノ:真幸 操 ピアノ:森本理奈



2020.10.24.大畑 理博
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グランドオペラ共同制作
オペラ『トゥーランドット』

トゥーランドット姫を大学の同期 岡田昌子が演じるということで、神奈川県民ホールに行ってきました



20年ほど前、3人で仲よく自主休講をたまに?していた(笑)佐藤容子、そしてそんなわがまま3人を保護者のやうに温かい目で見守ってくれていた辛島安妃子さんと一緒に横に並んで応援できました
あんなにアホなことを言い合っていた仲なのですが、3人は本当に立派な歌手、指導者として歩みを続けています



今回の演出・振付は大島早紀子さんがなさり、白河直子さんをはじめとしたH・アール・カオスのみなさんでして
前評判を聴いていたのですが、納得させられる繊細さと大胆さを表現され、それぞれの場面や心情をダンスで表現
舞台上は大変美しい世界を描いていらっしゃいました

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そしてトゥーランドット姫を演じた昌子ですが、昨年末のリサイタルには伺えたものの、二期会公演のアビガイッレを演じた「ナブッコ」を観劇しそびれたので、僕はオペラの中での本人を観るのは今回が初めてでした

やっぱり変わらず昌子でした(笑)
(本人に怒られそう…ごめんなさい)

「心に抱えた深い傷を氷のような冷酷さで覆い隠す絶世の美女」という説明の通り
舞台上では美声、そして美しい立ち姿、演技で圧倒させてくれました
一幕、一言も発さずに立っているだけなのに凄い存在感でした(ビックリした)

20年以上前から知っているため、どこかしら本人と重なる部分があり、演技をしているのか素なのか、トゥーランドット姫を観ているのか昌子を観ているのか…
振り返るとき、階段を上り下りするとき、手を差し出すとき、歩くとき。。。
でもそこには2人とも確かに存在していました

日本に帰ってくるたびに、刷新されていく昌子は
プリマドンナの階段を登っているのに、気さくでいてくれるからなんだか安心します

もし昌子が椿姫のヴォオレッタをやるなら、最後に仕える一人のグランヴィル医師として一緒に出来たらいいなと思ってみたり
10年前にこれで終わりと思っていたオペラ出演だけど、そんな思いにさせられました

いやぁ…
先週の「夏の夜の夢」に続いて今回も行ってよかった‼️

心の栄養補給第2弾でした



終演後、中華街で容子とご飯を食べてお茶していたら、昌子が会いに来てくれました😆
やっぱりお茶目で面白可愛い昌子は変わらない(笑)





2020.10.18.大畑 理博
以前の投稿で体調不良から復活のお話をしましたが、
ずっと原因がわからずでどうもモヤモヤが続いてました
血液検査では白血球の数値が未だ低いままで、
さらに下がっていく傾向がありました

そして本日、かかりつけのお医者さんにご紹介いただいた国立国際医療研究センター病院に行ってきました
血液検査の結果から、やはり血液中にウィルスが検出されウィルス感染していることがわかりました



治療法はだいぶ確立されているのですが、完治するものではないということで、これから全うするまでこのウィルスと付き合っていくことになりました

皆さんはもっと一喜一憂されるみたいなのですが、僕は何故かすんなりと淡々と受け入れられました
看護師さんがちょっと驚かれるくらい冷静に(笑)

音楽活動や通常生活に支障が少ないのが救いですが、投薬をはじめると副作用があるかもしれないということで不安要素はあります
また、免疫力が低くなっているので普通の風邪に気をつけないといけないです

でもひとまず原因がはっきりとわかり、治療が進められると思うと、とても安堵している自分がいます

これでまた音楽活動や仕事が、無理をせずに気を遣いながらでも出来ると思うとやはり嬉しいものです



2020.10.12.大畑 理博
久しぶりに観劇したオペラは
今この状況下にピッタリの幻想的なオペラでした
新国立劇場のオペラパレスで出演者全員が日本人

なんだか随所随所に散りばめられていたメッセージも
ズンっのようなグッのようなとても心に深く滲み入るものでした



シェイクスピアの幻想的な中に人間の核心をつくような…
ブリテンの妖しくも美しく紡がれる音楽
(一応学部時代、英米歌曲やオペラに触れたんですよね…ブリテンも挑戦したけど、ハマらなかった…ハマったのはヴォーン・ウィリアムズでした)

ニューノーマル時代の新演出と銘打ってます
一切演者同士が触れることはないのに、実際の距離、心の距離、舞台上では登場人物たちのそれぞれの距離がとても良く描かれていました

大学時代の一つ上の先輩である藤木大地さん、大隅智佳子さん
そして同郷の大先輩 平井香織さんをはじめ、出演者の方々の取り組む姿勢、歌はもちろん演技が素晴らしかった
アンサンブルもとてもバランスが良くて心地よかった

そして少年合唱団の心洗われるハーモニー
少年ってなんであんなにストレートな声なんだろう。。。

とても長いオペラなはずなのに、それぞれのシーンで音楽、演出、演者の皆さんに魅せられてあっという間でした

(そして終演後には平井さんと大隅先輩にもお会いしてちょっとだけお話できました)

はぁ。。。
心の栄養補給が出来ました
本当に伺ってよかった



2020.10.8.大畑 理博
季節を感じるということ
これまでも大事にしてきたつもりでした

先月、体調を崩してから考え方が変わったのか、感じ方もガラッと変わったように思います
これまで歳を重ねるごとに一緒だろうと思うようになり、どこか慣れてきていたのかも

せっかく咲こうとしていた鉢植えの花に水やりしてあげられず、見るも無残に枯れてしまい、不甲斐なさで深く傷付いたりもしました
あんな気持ち味わいたくないな…



まだ身体が本調子じゃないから、出来ていたはずの当たり前のことが困難だったり、それでも徐々に出来るようになったり
なんだか非日常を生きている気になるときさえあります



時を経ればその自分は過去になる

今、季節を感じれば感じるほど
新しい自分に出会える気がして
どこかワクワクしています



曼珠沙華
十五夜お月さま
金木犀の薫り
東京の街並み



毎年見る風景なのに新鮮さが違う
この感覚が続いたら後悔とかなくなるのかもなと思ったり



2020.10.4.大畑 理博