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自分の感受性くらい

今日は人前で歌うことがあったのですが、あまりに中身がすっかすかで、自分でもショックを隠せません。

どんな状況であれ、心の底の奥の奥から歌わないと。
こんなことじゃいけないですね。

茨木のり子さんの詩をお借りして、自問。





自分の感受性くらい



ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて

気難かしくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮しのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄


自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ






茨木のり子「自分の感受性くらい」(昭和52)所収



2009.5.10.大畑 理博
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