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貴方の息子で幸せでした

昨晩、父が急逝いたしました
享年67歳

先週には電話越しに話したというのに。。。
最後に交わした言葉は、お盆に帰省することへの
「待っとるよ」
でした。

こんな形で待たれるとは思いもしなかった。。。
父の元へ向かう電車の中で何の実感もなく、ただこの記事を書いています。
実感が湧いたら書けそうも無いので、ひたすらに記します。

貴方は立派な方でした。
息子の僕が言うのもおかしいかもしれないけれど。
本当に立派でした。
僕は貴方の息子として生まれてこられて本当に幸せです。

朝から晩まで仕事をし、土日には田んぼに出て米を作り、忙しくなさっていたのを子どもながら感じていました。
それでも沢山抱っこしてもらって、おんぶしてもらって、叱られて、叩かれて、慰められて、褒められて。。。

足の速いスポーツ万能な貴方は、運動会のヒーローで僕は誇らしかった。
さり気なくすっと立つその姿を見て、僕もそんな男になりたいと背伸びをした。
農作業をするその大きな手と腕はゴツゴツとしていて、なんだか憧れた。
インコの飼育や錦鯉、石楠花から囲碁、釣りからウチョウランの栽培など多趣味な貴方の大胆さと繊細さにビックリさせられた。

僕が音楽の道に進むことにはじめは反対なさった貴方。
それでもコンクールにコンサートに、大学受験までさせていただきました。

忘れもしないのが芸大の最後の合格発表の時。
貴方はたまたま東京に出張でしたね。
一緒に合格発表を見に行った時、僕が緊張しているよりももっとソワソワしているのは僕ではなく貴方。
受験番号があるのを見つけた瞬間、雲の上の存在だと思っていた大学の合格に茫然としている僕の隣で声を上げて喜び、子どもとしてではなく、はじめて男同志としての硬い握手をしたのはあれが最初で最後だったように思います。

喜怒哀楽をあまり如実には表さない人なんだと、思っていた息子は本当に喜んでいる貴方の姿を見て嬉しかったです。

想い出はキリが無いですね。

昨晩、貴方が亡くなったであろう時間に、東京の家のリビングでひっそりと一輪だけの薄ピンクの蕾を付けた花を見付けました。
「シクラメン」です。
花言葉は“キズナ”、“ハニカミ”そして“憧れ”



僕が想う貴方との関係です。
こんな暑い季節に咲いてこなくても…と思ったのですが、貴方が咲かせた蕾ですか?
気になって画像を撮りました。

もう歌声は聞いていただけないのですね。。。
貴方から僕の歌に関する感想を直接聞くことは、最後までありませんでした。
いつも目をつむって聞いていらした。
調子が悪いと途中で会場をお出になった。
それが貴方が残した僕へのメッセージだと思っております。

これまで突っ走ってこられた、67年という月日は如何でしたか?
今はどうぞゆっくりお休みください。

ありがとうございました。




2014.7.23.貴方の三番目の息子の理博より
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