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花の無い いけばな

毎週5流派以上が参加して9週間に渡り開催されている目黒雅叙園の“百段階段×いけばな”ですが、僕は一昨年に実施されているのを知り、昨年はすべての周期にお伺いしました。
本年も時間を見付けては足繁く通っております。

元々好きだった“いけばな”の世界でしたが、こんなに沢山の流派があることを知らず、毎週様々な素晴らしい作品群を拝見させていただいたのですが、その中でも僕に鮮烈な衝撃と、“うた”に通づるインスピレーションを与えてくださった作品がありました。それは、

「古流かたばみ会」家元 大塚理司先生

のものでした。
昨年拝見した際、作品を眺めながら座っていらした先生の姿を、僕は会場を後にした際に三十一文字でこう表現していたのをTwitterで見付けました。


凜としてそこに佇む家元(おとこ)あり
花と間違うほど芯持ちて


そんな大塚先生がエントランスロビーを担当されるというのを開催概要で前々から知っており、楽しみにしながら先日伺ってまいりました。
エントランスホールの空間をどう彩りお使いになるのか。



入った瞬間の感想は
「圧巻」
その一言でした。

それぞれの流派が趣向を凝らして素晴らしい作品を展示していらっしゃいます。しかしながら
サンゴミズキと青竹の花材2種のみというシンプルな潔さ。
赤の曲線と緑の直線。
繊維の真っ直ぐさと茎の丸み。
主張もするし同化もする。
その場にありながら後ろの風景も、前の空気もすべていい意味で巻き込んでいく。
コンクリートの下に土が広がり、天井の上に空が広がる。

そして気付いたのは花が無い。

僕は“いけばな”に花が無いというのはかなり否定的だったのですが、その考えを根こそぎ覆された作品が前に現れたときはビックリしました。

この歳になってくると自分で構築してきた考えは、なかなか覆らないものだと思ってきたのですが。




初めの印象通り何度見ても、どの角度から見ても「圧巻」。

そんな感想を抱きながらポワワ~んとしていると、スラッとした紳士が近づいてきたと思ったら大塚先生でした。
ほんの少しの時間だけお話しさせていただきましたが、作品のことなどが聞けて有意義な時間となりました。


大輪の花が無くとも当たり前のごとく男(お)在り 咲けり盛(さけ)りと



2016.4.29.大畑 理博
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